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世に棲む日日(司馬遼太郎)
幕末長州人2人の物語。前半は吉田松陰、後半は自分の大好きな高杉晋作。
賢者のようなイメージのあった吉田松陰だったけど、これを読んでがらりと印象が変わった。行動・思想がぶっ飛びすぎ。彼の「狂」という思想そのままに、彼の人生は彼が狂人かと思わせるが如く波乱に満ちていて、ただただすごいなぁと思うばかり。安政の大獄で囚われてから至った彼の死に対する思想「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし」という言葉は名言であると思う。
後半の高杉晋作。同著者の「竜馬がゆく」を読んでカッコいいと強く思い、それで彼に興味を持ったのがこの本を読もうと思ったきっかけ。彼も吉田松陰と同じく行動に飛躍があり、周囲の人たちを常に驚かせる。尊皇攘夷思想と藩主への強い忠誠心とで、一件矛盾するかのような独自の考えを持つ高杉。彼の幕末長州での活躍は神出鬼没の軍神というにふさわしく、まさに幕末の英雄。
高杉晋作の人生を究極に要約したのが、彼の辞世の句
「おもしろき こともなき世を おもしろく (すみなすものはこころなりけり)」
百五十石のよい家に産まれ育ち、普通に暮らせばまず平穏で安定し詩人として生涯を終えたであろう男が、久坂玄瑞と交友を持ち吉田松陰に学び、自ら幕末の荒波に身を投じて時代を動かし、しかしついには維新を見ずにこの世を去った。そういう波乱に満ちた人生の最後の言葉が上の句。高杉の人生ならばもっと他に盛り込むこともあるだろうに、あえてこういう句にしたあたり、彼の独特の人生感が窺える。
タイトルの「世に棲む日日」というのは、「高杉の半ばふざけたような辞世の、それも感じようによっては秋の空の下に白い河原の石が磊々(らいらい)ところがっているような印象から」つけたんだそうだ。
高杉晋作の人生は本当におもしろい。
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