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国盗り物語(司馬遼太郎)
戦国の物語。全4巻。徒手空拳で美濃を盗った斉藤道三が主人公の前編と、道三が国盗りの夢を託した織田信長が主人公になる後編からなる。前半は完全に道三が主人公だが、後半は信長よりむしろ明智光秀が主人公。
前半の道三のストーリーはとにかく痛快。還俗し乞食同然の身からやがて京の油商人になり、美濃で天才的な才略で国盗りを展開する様子は、テンポもよくて一気に読んでしまえた。(最近の研究では、道三の史実がこれとは違うんじゃないかという流れになっているようだが・・・) なんとも魅力あふれる"蝮の道三"だった。
後半は明智光秀に焦点が置かれている。道三が愛した2人の人物、信長と光秀。その二人が本能寺の変という結末を迎えるとは歴史はなんとも皮肉。裏切り者の印象の強い光秀だったが、読んでみてむしろ光秀を好きになった。美濃の名家の出身ながら、道三の義子である義竜のクーデターのために没落。その日食べるものにも窮するほどの貧困生活を送りながらも、幕権復活という壮大な目標を掲げて志を決して捨てずに諸国を奔走する光秀。彼のその志の高さは、後世にまで伝えられるべきだろうと思った。志を遂げ将軍義昭を擁立するもしかし最終的には義昭を廃するに至り、彼の人生をかけてきた夢が崩れ、そして信長に便利な道具のように使われていくことからついに謀叛に至る。原因に諸説ある本能寺の変の司馬流解釈が、光秀の心情変化の描写がとてもうまいのでそれが真実のように思えてきた。
信長も勿論天才的な軍略で天下統一を目指した魅力ある人物だが、光秀の方が複雑な内面を持っていて人間としてより興味深い人物だと思った。
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